海辺の和歌祭

和歌山市の祭と言えば、和歌祭。例年5月の第2日曜に行われる紀州東照宮の大祭である。
始まりは元和8(1622)年なので、392年前か。
狭い石段でひしめき合う神輿(みこし)おろしや、時代絵巻のような渡御行列、海の民の御船唄など見どころも多い。

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かつては日本三大祭のひとつと言われて(どこでも言うが…)大いに賑わい、見物人もわんさか詰めかけたので「大阪から臨時列車が出た」とか「四国から臨時船が出た」とかいう記録も残っている。最近は臨時の乗り物が出ることはないが、地域の人たちの努力と心意気で勢いを取戻しつつあるようだ。

今年の開催は5月11日、晴天。
風が少し強かったけれど、潮の香りも海辺の祭らしくてそそられる。漁港では名物のシラス丼や、足赤エビの天ぷらなどが売られていた。

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親しい方々が「腰元(こしもと)」で行列に参加していたので、「腰元はもう行きましたか?」とあちこちで聞く。なぜ「あちこち」かと言うと、尋ねた人によって答えが違うから。
「もうはよに行たで」「まだずっと後ろや」「今、行た」
ええっと……。こういう気風が、いかにも南国。悪くないけど、時々困る。

仕方がないので、最終コースあたりで待ち伏せる。ちなみに腰元とは、こういう人たちです。渡御行列のキレイどころですね。後ろ姿だけど。

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そして不老橋に並ぶアマチュア(たぶん)カメラマンたち。
不老橋は、嘉永4(1851)年に完成したアーチ型の石橋。本州では珍しいデザインで、秘伝的技術が用いられているとか。

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ひととおり祭を見終わって、路地を散策。海辺の集落はたいてい細い路地が入り組んでいるが、和歌浦の路地も魅力的。
万葉の歌枕の土地だけあって、しっとりした気配も漂っているような。
夕刻から腰元たちと合流して居酒屋へ。安くておいしい魚を食べた、祭のあと。

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※ 和歌祭については、こちらのサイトでどうぞ。

写真・文 北浦雅子

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